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2006年1月28日

「トチ」のはなし

カテゴリー: 山の話・木の話

今日は「トチ(栃)」のはなしです。
全国的に分布するトチは、東北地方に多く自生していて、なかでも奥会津は大径木の産地でした。比較的低山地帯の水分の多い肥えた土のところを好むようで、成長も早く、大きなものは直径2メートルを超すものもあります。月の輝く夜は、樹齢何百年もの大木は巨人がたたずんでいるように見えるとか。(ぜひ見てみたい!)
木材は「トチの絹肌」と呼ばれるほど緻密でなめらか、美しい白色が特徴です。非常に割れにくいのに軽くやわらかで加工も容易ですが、反面狂いやすいという短所ももっています。
通常木材は白太よりも赤身のほうが価値が高いとされるのですが、トチは例外で、白太が多いほど良材とされます。用途としては漆器の木地や家具材、建築の造作材などで、会津ではお椀などの木地としてよく使われています。歴史も古く、縄文時代にまでさかのぼり、三内丸山遺跡などからはトチの漆器が出土しているそうです。
これはトチの丸太を製材した写真。↓ 

花は20〜30cmもある円錐形の真っ白な花が咲きます。その花からはくせのない良質なはちみつも採れます。↓(エコ花で販売してますよ!)

またトチの実はでんぷん質が豊富で、栗やクルミと同じく縄文人の貴重な食料だったそうです。いまでも会津や奥秩父などでは、丹念にあくヌキをしたトチの実でトチ餅をつくります。素朴なやさしい味が絶品!
樹齢が高いトチは、テッポウ虫(樹皮にツタがからまっているとだいだい中に入っているようです)の虫食いあとや天日乾燥中のしみがはいったものが多くあることがあります。しかしそれでトチのよさが損なわれるというよりは、生きている証が味わい深い表情となって独特の雰囲気をかもし出します。
こちらは天板も脚もすべてトチでつくったダイニングテーブル。↓まぶしいほどの白色です。

次回「木のはなし」は、「キハダ」の予定です。お楽しみに!
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