ブログ
2006年2月28日

「杉」のはなし

カテゴリー: 山の話・木の話

今日は「杉」のはなし。

木造住宅でもっともポピュラーな材といえば杉です。少し前までは一般住宅の柱や天井材などは、たいてい杉と決まっていました。古来から多用されていたようで、弥生時代の代表的な遺跡‘登呂遺跡’でもほとんどの柱が杉といわれているそうです。その名は、立ち姿がまっすぐであることから「直(す)ぐ木」が転じたものといわれます。
杉はサワラなどに比べると重いのですがヒノキや松よりも軽く、曲げ輪っぱの原料に使われることでもわかるように、曲げや圧縮にもかなり強い樹種。耐水性もあるため、建材、内装・造作材、家具などのほか、雨戸などの建具や外装材にいたるまで多種多用に使用されてきました。むかしは杉や焼き杉の板の外装の家が一般的で、いまでも田舎のほうへいくと目にします。ちなみに焼き杉でないそのままの杉板塀には、2/17の記事掲載の柿渋がよく塗料として使われています。ちょっと赤みがかっていて落ち着いた味のある茶色に仕上がりますよ。
身近な建材の代表選手のような杉ですが、最近は花粉の原因として白い目でみられがちのようです。(ちなみに私はありがたいことに花粉症のケもないのでいまいちピンときませんが・・)戦後杉の植林が奨励されたあと適切な手入れをされないまま放置され、多量の花粉をまきちらしているのは事実ですが、大気汚染や道路のアスファルト化、食生活の乱れなど、花粉症の背景にはさまざまな要因もあるようです。日本人の10%以上が花粉症といわれるこの現状を好転させるためにも、杉をもっと活用していきたいところですよね。

杉は樹齢が高く杢のあるものは貴重でとても高価ですが、一般的に入手しやすく扱われているクラスはとても安価で、木材業者の中では「一番安いのも杉、一番高いのも杉」と言われています。材の性質や樹齢によって価値がこれほど違う木はほかにないでしょう。とくに間伐材はきわめて安価なので、節さえ問題にしなければ費用を気にすることなく無垢の木のよさが楽しめます。厚みをいかして大いにつかっていただきたい木です。

杉はなんといっても独特のさわやかな香りが魅力。居室をはじめ、トイレなどにもお勧めします。また吸湿性にすぐれているので、洗面所や収納の内装などにも最適です。やわらかいので糸ノコで看板文字をくりぬいたりするような加工も、私でもラクラクです。エコ花でもクローゼットの内装材などに積極的に活用しています。
次回「木のはなし」は、「オノオレカンバ」の予定です。お楽しみに!
tama
★★★