自分でもできる戸車交換

こんにちは、東京の下町で自然素材と手刻みの家づくりをしているエコロジーライフ花+直井建築工房です。
今回は、お家のメンテナンスの一つ戸車交換についてご紹介したいと思います。

戸車がつく引戸の種類

引戸には、レールタイプ上吊タイプの2つがあります。見分け方は、床の敷居にレールがあるかどうかで見分けることができます。レールタイプの引戸が開けにくくなったときに、原因の一つとして、戸車の不調が考えられます。戸車の車輪部分が摩耗したり、割れたり、髪の毛などのゴミが絡まったりすることで、車輪が回転しなくなり、引戸が動かなくなります。そうなったら戸車を交換する必要があります。

まずは戸車のチェック

戸車の不調をチェックのためには、戸を外す必要があります。レールタイプの引戸の場合には、基本的に上枠(鴨居)の溝が深めに掘ってあるため戸を持ち上げて、レールから外すように手前に引くと溝から戸車が外れて、戸が外れます。ガラス戸などの場合は重たいものも多いので割らないよう注意しながら行います。毛布などを事前に敷いておくと床を傷つけずに済みます。上に持ち上げても上手く外せない時は、戸の位置をずらして外せるところを探します。

場合によっては、鴨居が経年変化で下がってしまい外せなくなっていることがあります。この場合、引戸の不調に、鴨居が下がったことも影響している可能性があるため、戸が外れない場合はプロに任せてしまった方が間違いが少ないかと思います。

上手く戸を外せたら壁などに立てかけるようにして、戸車の状態を確認してみましょう。車輪部分を手で回してみてスムーズに回るかどうかを確認しましょう。引っ掛かりを感じたり、そもそも車輪部分の樹脂が割れている場合は戸車を交換する必要があります。

▲古い戸車。車輪の樹脂が割れている

戸車の選び方

戸車を選ぶ際に気をつけることは、タイプ大きさを間違えないことです。今ついている戸車の品番がわかれば、同じものを手にいれるほうが間違えがなくて済みます。残念ながら、ついている戸車から品番がわかることはまれなため気を付けながら戸車を選ぶ必要があります。

タイプは、引戸のレールの種類によって決まります。戸車のタイプには、V型、Y型、T型、丸型、平型など車輪部分の形によってタイプが異なります。今ついている戸車とレールをよく確認して間違えないようにしましょう。

大きさは、プレート部分車輪部分両方の大きさを確認する必要があります。プレートは、幅と長さ、厚みを確認する必要があります。これらが一つでも異なるとうまく取り替えることができません。車輪の直径も同様です。例えば、車輪の直径が今ついているものよりも大きいものを選ぶと戸全体の高さが大きくなり、鴨居に戸が納まらなくなります。すべての大きさが一致するものを探しましょう。

戸車の機能面では、”ベアリング付き”であることと”調整戸車”であるほうが好ましいです。ベアリングは、軸受とも呼ばれますが、回転動作をスムーズに行う部品です。ベアリング付きのほうが、車輪の回転時の摩擦が少なくなり、戸車の寿命が延びます。一方、調整戸車とは、調整用のネジがついており、そのネジを回すことで車輪部分を上下左右に移動することができる機能が付いた戸車のことです。左右方向の調整機能は、取り付け位置が左右方向でほとんど変わることがないので、不要な場合が多いですが、高さ方向の調整機能があると、戸車設置後の戸と枠の隙間をなくすための調整がドライバー一本で簡単にできます。

▲調整戸車。下から2番目のネジを回すと車輪の高さが変わる

いざ、戸車交換

交換作業は、戸車のビスを外して、新しいものを取り付けるだけとなります。新しいものを取り付けた後は、一度戸をもとに戻します。戻した後、建具枠の縦枠と戸が隙間がないことを確認します。もし、隙間が空いているようであれば、上と下どちらが空いているかを確認して、もう一度戸を外します。外した後、調整ネジを回して車輪の高さを調整して隙間をなくします。隙間がなくなれば作業終了となります。

まとめ

必要な道具

  • 電動ドリルまたはドライバー
  • マイナスドライバーやミニバール(戸車を外すときにあると便利)

必要な材料

  • 新しい戸車(ベアリング付、調整戸車が好ましい)
  • ビス(もともとついていたものを使い回せれば不要)

手順

  1. 戸を外して、横に寝かす
  2. 戸車の状態を確認
  3. 戸車を戸に留めているビスを外す
  4. 戸車を外す 外しにくい場合は、ベース部分にマイナスドライバーなどを挟み外す
  5. 新しい戸車を取り付ける
  6. 一度、戸を鴨居に納める
  7. 戸を閉めた状態にして、縦枠との隙間をチェックする
  8. 再度、戸を外し、調整ネジを回して戸車の高さを調整する
  9. 建具枠との隙間がなくなるまで5~7を繰り返す
  10. 隙間がなくなれば無事に完成

慣れてしまえば、一般の方でも戸車交換は簡単にできます。このような細かいメンテナンスは、個別に頼むと割高になりがちなので、自分でできるようになっておくと材料費だけで割安に行えます。この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてください!