びしょびしょの木材を乾燥させるとどうなる?

木は軽いのか?重いのか?

杉は軽い、黒檀は重いなど、少し木のことを知っている人だったら、木の種類によって軽いものも重たいものもあることはよくご存じだと思います。
同じく、木の重さには、木がどのくらい水を含んでいるかも関係してきます。
本日の記事は、そんな木材と水分についてのお話になります。

ずっしりとした杉

工場の掃除をしているとき、床に散らばった木材の切り落としを、ガラ袋に入れていたのですが、拾った木っ端が、やたらと重い。
どうみても見た目はで、大きさも12 cm × 24 cm × 4 cm 程度なのに、ずっしりとした重さを手に感じる。
手で持った時に明らかに表面が湿っているので、重さを測ってみることにしました。

重さは845 g もありました。
およそリンゴ3つ分のようです。

845 g ということは、体積が1,152 ㎤ なので、比重に換算する、0.73にもなります。
一般的に杉の比重0.40ほどですから、だいぶ水を含んだ状態のようです。

乾燥させてみる

ふと、乾燥させてみたらどうなるのかなと、気になったので、自宅に持ち帰り、乾燥させてみることにしました。
ひとまず、今シーズンも大活躍中の薪ストーブの前に放置してみました。

▲10年選手のSCAN社製薪ストーブの前に置いてみる

ひとまず、1時間ほど放置して、どのくらい減ったかなとワクワクしながら、測ってみると、

▲1時間乾燥後

835 g 、、、全く変わってない。

意地になって乾燥させる

温度が上がるように、薪ストーブの正面に向かい合わせになるようにしてみました。
どのくらい温度が上がったか確認するために、手元にあった放射温度計で温度を測ってみると、表面の温度は、86.8° となり、だいぶ高温になってます。
この状態で、しばらく放置してみました。

▲2時間乾燥後

さらに1時間、すなわちストーブの前に置いて計2時間経過した後に重さを測ってみると、765 g 、だいぶ減りました。
元の重さから80 g 減です。
見た目にも、ひび割れが目立つようになってます。
年輪に対して直角に割れていっています。

▲朝まで放置した後

途中、表面が黒くなって(炭化して)きたので、少しストーブから離し、朝まで放置しました。
計測すると、最終的に640 g になりました。
最初から比べると約200 g 減です。

実は、

さて、木っ端と水のグラスが2つ並んだトップ画像ですが、実は、グラス1つあたり100 g の水が入っています。
つまり、このグラス2つ分の水を乾燥前の木っ端は含んでいたことになります。
こうやって並べてみると、そりゃ重いはずだと、実感が湧いてきませんか?