桐箪笥の分解
台東区の工場にいつからか眠っていた桐箪笥を分解してみました。
まずは、桐という木材について勉強してみました。
・とても軽く(比重0.19-0.40)、柔らかい材料で、箪笥や琴などに利用される。
・湿気の吸収が少なく、乾燥による収縮やあばれが少ない。
・日本国内の桐の生産量は、大きく減少している。
・主な国内の産地は、福島県、群馬県、山形県、秋田県である。
・製材の輸入は、中国からが主である。
「特用林産物生産統計調査 確報 特用林産基礎資料」
を加工して作成
かなり年季の入った桐箪笥で、
工場でそのまま利用するにも、
自宅に持ち帰るにしても少し大きすぎる。
ただ、そのまま捨てるにももったいないので、
ひとまず分解して、板にして再利用を考えることにしました。
まずは、側面の上下についている金物を取外しました。
金物を外してみると、どのよな仕組みで持ち手が作られているか一目でわかります。
続いて天板を外していきます。
下から、天板をたたいて少し浮き上がらせたところです。
正面から見たときに角が斜め45°となるように仕口が工夫され、
繊細な仕事ぶりが見て取れます。
竹釘で上からと横から止まっているため、
浮き上がった隙間から鋸を入れ、竹釘を切断し、
天板を取外しました。
<天板を取り外した後>
続いて、背板と側板、仕切り板を叩いてバラバラにしていきます。
鋭利な竹釘でしっかり止まっていたので、この工程は手間取りました。
<竹釘の様子>
薄い板にこんなに長い竹釘が納まっていました。
当時の職人の技がどれだけのものだったか思い知らされました。
<ばらばらにした桐箪笥>
分解することで、各部の納まりや当時のものの作り方の勉強になりました。
状態はあまりよくない材ですが、何かに活用できないかと思案しているところです。
もし、何かに活用出来たらご報告いたします。
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