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2006年2月24日

今戸焼きレポート3

カテゴリー: ご近所

「今戸焼き 白井」さんではネコ以外にもいろいろ作っていました。
こちらはキツネ。

浅草神社のとなりのお稲荷さんに出しているんだとか。
うかがったとき机には、完成してるキツネくんと、まだのっぺらぼうのキツネくんが勢ぞろい。筆でひとつひとつ顔を描いてるなんて命を吹き込んでるみたいです。順番待ちのすがたがかわいすぎます。

作業途中の絵の具と道具たち。
白と真っ赤と真っ青のたった3色でキツネくんは生まれます。
たのしそ〜!!見てたらやってみたくてウズウズ。。

こちらはキツネ・鉄砲・庄屋の人形。江戸時代あたり遊里などでよくおこなわれていた遊びで「キツネ拳」というものがあるそうで、そのキツネ拳をあらわしています。キツネ拳は身振りや声で争う、いわゆるじゃんけんと同じ。(野球拳の起源とも言われているらしいです)キツネ拳はこの人形と同じポーズで掛け声をかけながら争うそうです。ちなみに狐と鉄砲では鉄砲の勝ち、鉄砲と庄屋は庄屋の勝ち、庄屋と狐では狐の勝ち。
同じ写真で、一番奥に白い招きネコと読み取れない外国語がかいてあるポスターのようなものがあります。これはなんとウクライナの大統領再選挙のポスターに、白井さんのところの招き猫がつかわれたときのものだそうです!ウクライナ語で「私は公正な選挙に賛成です。あなたは?」と問いかけて、投票所に手招きしているらしいです。こんな風に手招きされたら重い腰をあげて投票しにいっちゃいますよねぇ。

なんだかなつかしい蚊取り線香のブタもいました。(ちなみに直井が欲しい!って騒いでましたが、そういえば買ってもらえてないんじゃ・・)
30分くらいの滞在でとっても楽しませていただきました。白井さん、ありがとうございます!
こんなに楽しくてかわいい、伝統的な今戸焼き、これからもずっとつづけていっていただきたいです。

-おわり-
tama
★★★

2006年2月17日

柿渋塗り

エコ花のお店の外壁にある「花らいふ」入れがだいぶ痛んできた(壊れた!)のでつくりかえました。
塗装は、外壁の色にあわせてちょっと古めかしい感じにしましょうと柿渋を塗ることに。
塗装をやりたすぎて夢にまででてきてしまうらしいエコ花新顔のKAYOさんが、
さっそく使いかけの柿渋をひっぱりだしたら、
開封して時間がたちすぎてたためゲル化してました。
容器を逆さにしても固まったまま。
どうにもならないから捨てようという話になったら、
社長がもったいないから塗る!と言っておもむろに入り口外の唐松の床に・・・べっとり!!

そして、新しいものだって強烈なにおいのする柿渋が、熟成に熟成をかさねてもっとキョウレツ・・。
顔がすっぱくなる?!ほどのにおいって初めて嗅いだかも・・。
言葉で表現しきれないです。
塗りたくてウキウキだったKAYOさんはあんまりのにおいに涙が流れてくるほど攻撃されて、挫折。
お店のなかから見物してました。

ちなみにこちらが柿渋。

エコ花で使っている柿渋は、一切まぜ物がないトミヤマの5年物の柿渋です。
柿渋は、まだ青い渋柿をしぼってできた液体を発酵させて何年か熟成させた液体。濃い褐色で、お茶や赤ワインにふくまれている渋い味のもとである“タンニン”が主成分です。漆に並ぶ日本古来の塗料で、むかしは番傘や板塀など木、布、紙などの塗装に使われたり、漁師さんは網を丈夫にするために柿渋を染み込ませたりして使っていたそうです。月日が経つほど淡褐色から深みを増してきて、味わいがあってうつくしい塗料です。
においは強力な柿渋ですが、塗料として以外にもいろいろな効能があるみたいです。肌に塗ると肌荒れ防止、やけど、しもやけ、害虫、アレルギーの改善などの効果、さらには飲むと脳卒中、高血圧、動脈硬化、胃潰瘍などにも効果があるとか。(良薬は口に苦しなんでしょうけど、あのにおいを口元にもってくることすら、私は・・。)
嗅いだことのない方は、ぜひぜひ一度体験してみることをおすすめします。
ちなみにそんな強烈なにおいも塗装をして何日かで完全に飛んでしまうのでご心配なく!
環境にもからだにもやさしい天然素材の安心塗料ですよ。
tama

2006年2月16日

今戸焼きレポート2

カテゴリー: ご近所

ネコつづきのブログです・・
今戸焼きのなかでも有名な招き猫は、江戸時代からつくられていた“今戸土人形”のうちのひとつ。ただ江戸時代には今のような福を招き入れるとか縁結びというようないわれは特になく、戦後になっていまのような意味がついてきたそうです。
むかしからあるオリジナルサイズの“火入れ猫”は、なんとうしろが空洞です。江戸時代よしずの茶屋などでこの空洞に火を入れて暖をとったり、灰皿代わりに使われていたそうです。大勢のおとながネコに向かってあったまってるところを想像・・・かわいすぎ!

鈴が本物の鈴ではなく絵の具で描いた鈴です。左手をあげているのがメス、右手をあげているのがオス。しかも私は招き猫って白だけかと思っていたら、黒い猫もいました!それぞれで意味合いがちがって、白は千客万来祈願、人や福を招く猫、黒は部屋のなかで人目につかない場所に置いて、来てほしくない人をよけるという意味があるのだそうです。ならべて見ているとたしかに黒い方からは強い気配を感じる・・?!ひとつひとつ手で描いている顔は、やさしーい顔だったり、うふっと笑ってたり、いばっていたり、仏頂面だったり・・どれも同じ顔がなくて飽きませんでした。
ちなみに私は対の猫の手の上げ方が「にゃ」ってふき出しをつけたくなってたまらなく好きです!

-つづく-
tama

2006年2月15日

今戸焼きレポート

カテゴリー: ご近所

お正月ご紹介した“今戸神社の招き猫”をつくっている、「今戸焼き 白井」さんへいってきました。(お仕事中に突然スタッフ数人でお邪魔したにもかかわらず、快く対応していただきました。ありがとうございました!)
現在今戸焼きをつくっているのは、なんと昭和初期以降から1軒だけ。もともと分家だったこちらの白井さんは、本家が店をたたんでも今戸焼きを焼きつづけて創業500年!だそうです。
今戸焼きという名称は地名からきているそうですが、もともとは瓦屋さんが片手間ではじめたのがはじまりだとか。
これは白井さんに飾ってある、江戸時代の隅田川の様子をえがいた図。

左が当時の瓦屋、右は隅田川沿いでもくもくけむりをあげて焼いていた様子です。むかしはこの川っぺりの田んぼの粘土を使って焼きものを焼いていたそうですが、いまの台東区今戸では土が採れないのでいろいろな土地の粘土が混ざったブレンド粘土を使用しているそうです。
作るのはすべて手作業。粘土を型枠にいれてかたちをつくったら、

金属の棒をつかって手でバリをとって整えていきます。バリとは型を使ってやわらかいものをぎゅっと押さえて作るとはみ出る部分。南部せんべいのはじのパリパリの部分(おかしなたとえですみません・・)と同じです。かたちが整ったら窯で焼いて、ひとつひとつ手で絵の具で色をつけ顔や模様を描いていきます。

焼きあがった猫やいぬたちがずらーっと並んで色をつけてもらう順番を待っていました。
-つづく-
tama