森林教室@エコラの森 レポートvol.7
こちらはエコラの森の中心をながれる湯沢川。
大きな木が流されてきています。
乱伐されて放置された森は木々が死んでしまい、そのせいで地盤が弱ってゆるみ、「てっぽう水」という名前のとおり鉄砲のような勢いの水流がたびたび発生しています。
てっぽう水、つまり土石流の勢いで流されてきたこのような木や石やゴミが、溜まったところにまた土石流が流れ、エコラの森のなかの橋を壊したこともあるそうです。
このままいくとエコラの森内だけでなく、当然下流の川渡温泉にも被害がでる可能性があります。
雨の降る日、川渡温泉の人たちは、川の氾濫が心配で寝られないと言います。
これもてっぽう水の仕業。
この日の1週間くらい前に駒五郎さんが同じ場所へきたときは、ちょうど駒五郎さんの指先くらいまで岸辺があったそうです。
それがたった1週間のうちに、これだけ岸が削られてしまったのです。
新緑の中には、こんなふうに土管や、車までもが捨てられていました。
この写真の崖くずれ。
写真を撮った場所までいくのに、くずれた崖の上を車で通りましたが、もうギリギリの車幅。めまいがするほど無残に激しく崩れていました。
この道、2日まえは崩れていなかったそうです。
2日崖崩れが遅ければ、車もろとも大惨事です。
こちらはリゾート開発業者の置き土産。
スパをつくろうとしたのか、2億円をかけて温泉を掘り出したそうです。
掘り出されたお湯は、いまや垂れ流されているだけです。
エコラの森の荒れ様を間近でみて、本当に心が痛くなり、悲しくなりました。
「森は森じゃないか」と思うかも知れませんが、実際に見ると、特に前日に行った手の入っている国有林と比べても、そのさまは雲泥の差です。
山なんて自然なんて、荒らされたとしても放っておけばまた自然のちからで元に戻るんじゃないの?と思う人がほとんどだと思います。(tamaもそう思っていた1人です。)
でも駒五郎さんは「一度手を入れた山や森は、手を入れつづけないと元に戻りません。放置した山は荒れる一方、どんどん流されくずれる一方なんです。」と言っていました。
やはり人間の手がはいったところには、人間が手をかけて行かないと、自分のちからで元に戻ることはできないのです。
ちなみにエコラの森は昭和初期の所有者の方は、伐採したら植林し、道路も整備して手入れしやすいようにしていたそうです。その所有者の方が手放したとき、20年以上前にリゾート開発業者が入り、約10年前にその計画が破綻、その後乱伐され荒らされつづけていた状況です。
昭和のころはきっと緑も草花も豊かな、非常にうつくしい森だったんでしょう、と駒五郎さんは言っていました。
広い広いエコラの森、まだまだエコラ倶楽部で見ていないところ、駒五郎さんも見ていないところもたくさんあるそうです。
駒五郎さんは「もしかしたらきちんと植林されて成長途中の森もあるかもしれない。手遅れになる前に救いたい。」と言っていました。
―つづく―
tama