1階の真ん中が吹き抜けになっていて、2階の高さいっぱいまでの窓から日が燦々と射し込む明るい家です。吹き抜けの中心にそびえる、大黒柱のまわり十文字状の木組み、随所に見える「仕口」とよばれる接合部、太鼓梁やハツリ跡のある梁など、大工の手刻みならではの木の仕事の魅力を、日々身近に、味わうことができます。
竣工:2012年12月
場所:千葉県
延床面積:104.6㎡
設計:直井建築工房
外装は、落ち着いたレンガ色のモルタルで仕上げました。玄関扉をもうけた中央部だけは、木の板を縦張りにし、扉の上に庇を設けました。玄関にあがる手前のタイルの階段には、建て主さん家族の希望で、りすと象とうさぎを埋め込みました。
木の玄関扉と、その両側の小窓とが、人をあたたかく家に迎え入れるような、かわいらしく、楽しい表情を作っています。
高い窓から吹き抜け越しに、陽射しがいっぱいに射し込みます。吹き抜けの真下に、エコ花とっておきの無垢の厚板で作ったテーブルを置きました。高い窓は、2階のバルコニーから開け閉めできます。
2階の吹き抜けの両サイドは、それぞれが部屋になっています。どちらの部屋にも、吹き抜けに面した障子を入れ、階下とのコミュニケーションができるようにしました。
リビングに面したキッチンからの眺め。
2階にあがる階段の手前に、大黒柱がそびえています。十字架状に横にささる梁は、自然な木の形を生かした太鼓梁。奥から手前にささっている梁をとめている「鼻栓」が、この家に特徴的な意匠ともなっています。
階段にあがる手前。見上げると、梁が重層している様子が間近に、よく分かります。
複雑な木目が美しい大黒柱。時を経て、ますます艶が出て、深い色になっていくのが楽しみです。
二階のバルコニーから室内を見たところ。木組みの鼻栓が、トンボのように見えます。吹き抜けにすると、暖房であたたまった空気が上昇してしまうので、天井扇をまわして、それを下に循環させ、快適な室内環境を作ります。
2階の個室。梁の下から見える部分は、チョウナではつってあります。こちらの部屋は、天井を白くしました。
逆側の個室は、天井を板張りにしました。もう片方の部屋と、雰囲気が少し違います。