吹き抜けになったリビングを中心にあり、棟まで抜けている区間を中心に、キャットウォーク、2階、ロフトとさまざまな高さに「居場所」のある家です。寝る部屋以外の個室はなく、それぞれの時間を過ごしたい時には自分のコーナーへ。集まる時には1階におりてきます。枝が何層かに張り出した大きな木に住んでいるようです。
竣工:2010年3月
場所:千葉県
延床面積:111.61㎡
設計:直井建築工房
縦張りの板壁と塗り壁の落ち着いた外観。玄関先には、隣の親世帯との間に屋根をさしかけました。
垂木が並び、瓦がのった立派な屋根です。
玄関外からつながった洗い出しの玄関土間。式台はクリ、上がり框はケヤキです。玄関をあがって左後ろにまわりこめば既存の親世帯へ。左前に進むと、リビングにつながります。
リビングの半分が吹き抜けになっています。吹き抜けの真下に、家族が集まる厚板のテーブルがあります。食事をするのも、テレビを見るのも、宿題をするのも、ここです。すぐ向かいにはカウンター越しにキッチンがあります。
カウンターの中のキッチンの様子。キッチンセットはシステムキッチンですが、棚は大工が作り付けました分別ゴミの容器などもスッキリとおさまっています。
リビングから玄関方向を見るとこんな感じです。縦に木の桟が入ったガラス戸で、玄関から見え過ぎず、外から帰ってくる人の気配は分かるようになっています。右手の階段をのぼっていきます。
階段を数段のぼり、踊り場から右にあがると、キャットウォークに出ることができます。ここの高い窓を開閉する時に使います。日当りがいいので、蘭などの鉢を置いておくのにもいい場所です。
踊り場から回り込んで2階に至ります。吹き抜けにオープンになった書斎コーナーがあります。
壁には、建て主さんの趣味である振り子時計のコレクションがたくさん飾られています。
さらにもう一層上に、ロフトがあります。ここは、子どもの勉強スペースです。テーブルも引き出しも、大工が作り付けました。
建て主さんのお気に入りの九谷焼の陶器を洗面ボウルに使い、ホオの木に組み込みました。
玄関にあがる手前の土間コンクリートに、家族の手形とおはじきを埋め込みました。お父さんの力強いて、お母さんのやさしい手、子どもの可愛い手。一生の記念になります。