築○年の家を、軸組にまでほぐして、大改修しました。木の内装と漆喰塗りの壁で明るい家になりました。日本の家は軸組さえしっかりしていれば、壁の仕切り方で間取り変更がかなり自由にできるのがいいですね。住みにくい家、諦めないで直しませんか?
竣工:2004年6月
場所:東京都
延床面積:57.28㎡
設計:直井建築工房
リノベーション前の様子。隣とめいっぱい接した四角い家です。植木鉢をいくつも置いているのが、下町らしい感じです。
この、昭和の時代によくあるような和室を、素敵なリビングに作り直します。
いったん軸組にまで解体します。構造的に危ないと思われるところには、添え木をしたり、新たに柱を加えるなどの補強をしていきます。
リノベーション後の玄関。ギリギリいっぱいなのは同じですが、レンガ色の細く横縞を搔き落とした壁、木の扉や細々とした植木鉢のかわりに置いた大ぶりなグリーンの鉢などで、街に面しているこの家の「顔」の雰囲気がよくなりました。
銅板を打ち出して鉄の飾りをつけた郵便受けは、この家の外壁のアクセントとなっています。
玄関。大工造り付けの下駄箱の天板には耳付きの厚板を使いました。下駄箱の上におもしろい形の鏡を取り付けました。出かける間際の身だしなみチェックと、空間を広く見せることを兼ねています。
明るいリビング。空間をせまくしないでものを置けるスペースとして、窓の内側に板を渡したり、壁に組み込んだ棚を作ったりしました。棚板は無垢の厚板を、棚の上部の仕切りに四角い煤竹を使って、雰囲気を出しています。
採光のために天窓を取り付けました。
コンパクトな台所。調理台の上には物を置かないで済むような収納を考えました。
表に見えていると殺伐としがちな分別ゴミ入れも、木製の造り付けキッチンに組み込みました。
洗面ボウルも厚板に組み込みました。鏡は、玄関にあるものと雰囲気を揃えています。
ベッドルーム。部屋の隅に小さなテーブルを作り付けました。ベッドも大工特製で、収納も兼ねています。