家が密集していて、家が敷地いっぱいになりがちな都会では、いかにプライバシーや生活空間を確保しながら、特に1階でも明るさや風通しを得るか、間取りを考えて工夫します。ここのお宅では、家が小さな庭をL字型に囲むようにしました。庭に面して濡れ縁をまわし、大きな掃き出し窓をつけて、家族が集まる1階が明るくなるようしました。
竣工:2008年9月
場所:東京都
延床面積:73.57㎡
設計:直井建築工房
カーポートのある外観。外装は落ち着いたベンガラ色で仕上げました。
庭に面した明るいダイニング。光が降り注ぎ、気持ちよく朝ご飯が食べられます。
1階には、和室とリビングダイニング、キッチンがひとつながりの空間としてあります。Lの字の角のところには木目の美しい大黒柱を建て、太い梁でこの開放的な空間を支えています。
ここでスイカを食べたり、花火をしたり…。部屋からつながっている濡れ縁は、夏など開放的に過ごす時にはお勧めの場所です。L字の角の部分は、大工がきれいに仕上げました。
和室とリビングの間に障子をたてることもできますが、このように障子を壁側に引き込んでしまえば、開放的な空間となります。中央には、半畳分の畳をあげて掘りごたつがおけるようにしました。
リビングからキッチンを見たところ。美しい木目のカウンターが目隠しになり、空間的に遮断されてはいないものの、キッチンの見えないでいい部分はスッキリと隠れています。
天井に張った無垢板は、壁や造り付け家具とはちがって、無塗装で白木のままにしました。木目がきれいな模様です。
ソファーとAVコーナーのある居間スペース。階段を隠す板壁が、落ち着いた空間を作っています。その向こうには、階段とトイレがあります。
階段裏のトイレを出た角のスペースを利用して、三角に切った厚板に洗面ボウルをとりつけました。ボウルは骨董の陶器。水はねよけに、石をはりました。
2階にあがったところに作り付けた本棚。このように階段スペースを囲む仕切り壁をかねて、高くない本棚を作り付けることできます。
2階の明るいベッドルーム